6月某日 午後19時すぎ
「米、米が食いたい。」
仕事に向かうには少し早い時間に起きた私は着替えながら、そんなことを考えていた。
いつもならコンビニとかでいろんな品を見ながらだらだら考えて何を食べるか決めているのだが、時々起きた時から決まる事がある。
そろそろ年齢的に考えて健康の為に食生活も気にしないといけないのだが、食べたいのだから仕方がない。
「最近いってなかったし、あそこにしよう。」
私は近くの中華料理屋「蓬来」に向かった。
﹙良かった、今日はやってた。﹚
ここ数年店主の体調不良等でよく休んでいたりするのだがその日は開いていた。
「チャーハン一つ」
私はメニューに一目もくれず注文した。
他にもラーメンとかタンメンとか色々あるのだが、大学生の時からこの店ではほぼチャーハンしか頼んだことはない。
「チャーハンお待たせ!」
うん、いつものチャーハンだ。大学生の頃から全く変わっていない。特にめちゃくちゃ美味しい訳ではないがここに来ればいつでも食べることのできる味。毎週通うわけでもないが、気がつけば無性に食べたくなる、そんな味。
﹙そんな役者もありなのかな?このチャーハンみたいな﹚
などとよくわからないことを考えているうちに完食。
「ごちそうさま。」 「ありがとうー」
支払いを済ませて大学生の頃と変わらないあいさつを交わして店をでる。
﹙よし、チャーハンな役者な目指して頑張りますか!﹚
膨らんだお腹をさすりながらそう思ったのでした。