7月某日
﹙さーて、なに食べようか……﹚
練習終わり。
普段は夜勤なので練習途中で抜けるのだが、今日は仕事が休みなので最後まで練習参加。スタッフの話もしていたら時計の針はちょうどてっぺんを指そうとするところだった。
この時間のいつもの選択肢ならコンビニか近くの某牛丼チェーン店﹙個人的には定食屋﹚である。が、いつもそれではさすがに飽きる。24時間営業のスーパーもこの時間ではラインナップが心許ない。
そんな感じで悩みながら家路についていると視界の端に一軒の弁当屋が目に入った。
﹙そういやあそこ最近行ってなかったな……﹚
「たきたて弁当」
深夜1時~2時位までやっている古い弁当屋。﹙昔は24時間やっていた﹚
ここ数年は行動範囲から微妙に外れているのもあって通う頻度か減っていた。
﹙よし、久々にたき弁で唐揚げ祭りだな♪﹚
私はほんのりにやけた顔で店の扉を開いた。
「いらっしゃい。」
﹙…うん、メニューに代わりはないな﹚
いつもと変わらないメニューに安心しながら淀みなく注文をする。
「唐揚げ弁当のおかず大で」
ここの弁当はおかずも一部大盛りにできる。﹙というか唐揚げ系だけだったかも?﹚こうすると弁当の見た目がちょっと楽しいことになる。
その様子を思い浮かべながらにやにや雑誌を読んでいると程なく弁当が出来上がったのだった。
「ありがとうー」「どうもー」
会計を済ませて店を出る。
﹙なんかこのまま家で食べるのもあれだし、漫喫でのんびりしながら食べるかー﹚
なんか乗ってきた心のままに私は漫喫へと向かうのだった。
そして個室に入るやいなや、
﹙よーし、唐揚げ祭り開催よっ!﹚
謎のテンションで袋から唐揚げ弁当を取り出す。
﹙うーん、最盛期ほどではないが十分な盛りですな!﹚
昔24時間営業だった頃、深夜3~4時位だと店員が違うせいかなんなのかよくわからないが、袋の中に蓋をしてても唐揚げがこぼれ落ちる位に盛られる事があった。
その頃と比べると少なく感じるがそれでも十分な量である。
﹙さて、たまにはこんなのんびりした休日もいいよね。﹚
好きな漫画を持って来て脇に置く。公演まで後一月弱。残りの期間頑張るための休息。だからこの時間は必要なのだ。
なんて言い訳をしながら唐揚げ祭りの夜は更けていくのでした。