凶悪で愛すべき父親

私は映画や舞台を観ている時に理解からかけ離れた人物が現れると、その人物に対して強い興味が湧きます。

何故、興味が湧くかというと

その人物は”矛盾“を抱えているからです。

例えば、、、

知能は高いのに最もリスクが高い手段を選ぶ

愛情深い人間なのに人を平気で傷つける

めっちゃ馬鹿なのにやることなすこと滅茶苦茶面白い

そして疑問を持たされて
解説を見て、考えて論理的に理解しても
感情がやっぱおかしいとサイレンを鳴らし

また考えたりを繰り返しているうちに

その人物たちの虜になっていきました。

今回はそのうちの1人
愛情深い人間なのに人を平気で傷つける

凶悪で愛すべき父親 ”パガン・ミン“を
紹介・解説・考察していく

目次

1.人物紹介

Far Cry4というゲームに出てくる人物

中央アジアにある架空の国キラットの独裁者

近代史に実在した独裁者のように自己中で己の利益のためなら虐殺をも厭わない非常に残忍な性格をしている

だが教養は高く発言や見た目には気を遣ったり近衛兵を含む兵士達にはとても尊敬されておりカリスマ性も持ち合わせている

しかし一般人には心底嫌われており、ピンクスーツはダサいなど散々な言われよう

ゴールデン・パスというテロリストと内戦中

主人公エイジェイ・ゲールには凄く友好的に接する

2.生い立ち

『10代』
香港の麻薬王のもとに生まれる
この時から野心家であり自身の違法ビジネスを成功させていた。

ちなみに保守的な父親が嫌いだった

父の”不幸な死”の後、莫大な遺産を手に入れて
協力関係にいた組織も丸ごと奪おうとしたが
返り討ちにあい香港に居れなくなったので逃亡することになる。

その逃亡先にちょうどよかったのが、先代キラットの王が反政府組織に殺され内戦状態になっていたキラットである。

『20代』
先代キラット王の遠い親戚を見つけて
その者の保護を口実に王党派と結託

その時に主人公の父親であるモハン・ゲールと母親のイシュワリ・ゲールに出会っている

パガンが加わったことにより劣勢だった王党派は逆転しキラット皇太子と国を守ることに成功するが、
奪還した日に幼き皇太子を殺害して国を乗っ取る。

『〜現在』
パガンと共にやってきたユマ・ラウの活躍と自らの迅速な広報活動により一気に支持を集めていく。当時の市民の熱狂ぶりは凄まじく王立軍には志願する人が殺到するほどだった。
命からがら生き延びたモハン・ゲールは、彼に対抗すべく後のパガンに対する反乱勢力『ゴールデン・パス』を結成した。

3.魅力


パガンに対して私が魅力を感じるのは2点あります。

①主人公への対応

人物紹介の最後にも書いたとおり
独裁者パガンミンは主人公エイジェイ・ゲールにとても優しいんです。

紳士的な対応で豪華な食事でもてなしてくれたり、作中に無線で気さくに話しかけてきたりと何かと気にかけてくれます。

その実、失態をおかした部下を残虐に殺害したり、過去の悪行をなんの悪意も反省もなさそうに語るシーンがあり、決して善人とは言えません。

そもそもエイジェイ・ゲールは敵であるモハンの息子であるし、そんな主人公に優しくするのは
変です。

しかし、それにはしっかりとした理由があります。

それはイシュワリと恋に落ち、愛を知ったからです。

時は少し進み主人公の父親モハンがゴールデン・パスを結成後
パガン相手に苦戦するモハン、色々と作戦を実行しますがどれもうまくいきません。
そこで最後の手段である自身の妻イシュワリとまだ赤ん坊だったエイジェイをパガンの元へ送りスパイ活動させるというものでした。

しかし誤算だったのはイシュワリとパガンが愛し合い、娘ラクシュマナができてしまったことです。

②怪物から父親へ
ラクシュマナが産まれてからは人として変わっていきました。
最初は王様である自分が父親になれるはずがないと思っていたようですが、イシュワリを嫉妬させるほどの溺愛ぶりを見せていました。

最後に

パガンは人を平気で傷つける怪物でしたが、愛を知り父親になることができました。
ただの独裁者のままだったら魅力を感じることはなかったと思います。

独裁者でありながら一人の父親として、一人の人間として描かれたパガン。
その部分に大きな”矛盾“を感じ、私の目にはとても魅力的に移ります。

パガンというキャラクターを通して他のゲームや映画、ドラマにでてくる悪役にもそういう二面性を持ったキャラクターに魅力を感じるようになりました。
どちらかというと悪役が好きな私なので、これからも矛盾を抱えた人物を多く見ていきたいです。

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