自分のために作った場所が、誰かの楽しみになるといい。
自分が好きで作った場所が、誰かの好きになるといい。
何かをつくるのはいつもそう。
自分自身が欲しているから。
こんにちは安藤です。
自意識過剰な程に盛り盛りの作品が好きです。
その自意識は一人で膨らませた風船ではなくて、
周りに刺激を受けながら重ねた積み木のような、
研ぎ澄まされた感性を、結果として一人で組み上げたような。
そう、それは圧倒的な美。
圧倒的な個性。
質量を持ったセンス。
目で見た時には親しみがあって、
触れた時には奥の深さを感じるような。
シンプルにして複雑。
大衆的でありながら、
同時に理解不能な箇所も併せ持つ。
一人のわがままを通して作られたものは、
その個性に触れた瞬間、
その場所の空気を吸い込んで、吐き出す間に、
リアルな風を肌に感じた時に、
「こりゃあ、やっべえな。」
となるのです。
心にまず浮かぶ感想はそれだけ。
その瞬間、
受け取り側の理解を超えた一瞬、
その一瞬こそが、
作り手の勝った瞬間ですよね。
圧倒的なものをポンと出すことは難しいので、
僕たちは毎日刀を研ぎ続ける訳です。
時々外の風景を眺めて、
季節の風を感じながら。
作り手の生きた時間を、
とある国の、とある街の、
人々の生きた時間を、
20年、30年、40年、50年。
人の生きた時間分の厚みを、
一緒にある軽薄さみたいなものを、
創造性を、破壊性を、
楽しさを、面白さを、
寂しさを、儚さを、
同時に感じられる場所が好きです。
人の賑わい。
何十年も前よりは失われたけど、
今も少し残っている。
夜に人の集まる飲み屋街。
昼は眠ったように静かで、
いつでもそこにあるような、
いつまでもそこに無いような、
少しの寂しさを含んだ時間の流れる、
新稽古場の周りの空気感。
清濁併せ持ったこういう場所では、
いいものが生まれる。
そんな予感がしています。
強烈な個性で魅せて欲しい。
と同時に、
全体の持つ柔らかさで包んで欲しい。
緩さと熱量の間を行き来する。
面白い場所にしましょう。
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